足場工事の仕事に関心を持ちながらも、「将来、ずっと続けられるのか」「AIや機械に取って代わられるのでは」と不安に感じている人は少なくありません。とくに20〜30代の若手層にとって、今から選ぶ仕事が10年後も必要とされるのかは、大きな判断材料になります。
現場仕事=体力勝負というイメージや、「年を取ったら続けられないのでは」といった疑問も、無理のない感覚です。さらに最近では、ドローンや自動施工といった技術の進展がニュースで取り上げられ、「いつか現場も全部ロボットになるのかも」と感じる人もいるでしょう。
一方で、実際の足場現場では今も多くの職人が必要とされ、手作業による調整や現場対応が当たり前のように行われています。このギャップが、将来性に対する疑問を深めている要因でもあります。
こうした背景をふまえ、本記事では「足場工事の将来性」というテーマを、現実的な視点から見つめ直していきます。
AIやロボットで「人手不要」になるのか?
足場工事に限らず、多くの現場仕事で「そのうちAIやロボットに取って代わられるのでは」といった声が聞かれます。たしかに一部の作業では、技術が進んでいるのは事実です。たとえば、高所の状況確認にはドローンが使われることもありますし、あらかじめ設定された環境での自動組み立て装置なども研究されています。
しかし、足場工事は「現場ごとに条件が異なる」ことが大きな特徴です。建物の形状、周囲の障害物、当日の天候、作業スケジュールによって最適な組み方が変わるため、画一的な機械には対応が難しいのが実情です。単純な繰り返し作業とは異なり、その都度現場判断が求められる仕事です。
また、安全面での責任も大きく関わります。足場は自分たちだけでなく、他業種の職人が使う共通インフラです。ほんのわずかなズレや不安定な箇所があれば、大きな事故につながりかねません。こうした微細な調整や安全確認は、今のところ人の「目」と「感覚」に頼らざるを得ない部分が多く残っています。
加えて、現場では突発的な変更やトラブルも珍しくありません。「思っていた資材が届かない」「クレーンの位置が変わった」など、その場で判断し、周囲と連携しながら柔軟に対応する力が必要です。こうしたリアルタイムな判断力や、職人同士の連携は、AIでは再現が難しい領域です。
もちろん今後、部分的な自動化は進んでいくでしょう。しかし「完全に人手がいらなくなる」という未来は、少なくとも現時点では非現実的です。足場工事の現場には、まだまだ“人だからこそできる仕事”が多く残っているのです。
「必要とされ続ける」仕事である根拠とは?
足場工事が今後も必要とされる根拠は、単なる現場の慣習ではありません。まず第一に、日本全体で建設需要が安定して存在している点が挙げられます。新築工事の数こそピークを過ぎたものの、今後はマンションや公共施設、戸建住宅などの「改修・修繕工事」が増える見通しです。これらの工事には必ず足場が必要となり、むしろ今後は“より丁寧で安全な足場”が求められる傾向が強まっていくと考えられています。
次に、業界全体で進む高齢化も重要な要素です。現場で長年働いてきたベテランが次々と引退を迎える一方で、新しく入ってくる若手は決して十分とは言えない状況が続いています。この人手不足の中で、一定の技術と責任感を持った職人は、現場から強く求められる存在になっているのです。言い換えれば、一度技術を身につければ長く重宝される“安定したポジション”を築くことが可能だということでもあります。
また、足場は現場全体の安全を支える基礎であり、「品質が見えづらい」けれども「安全性には直結する」という特性を持ちます。このため、価格だけで競うような仕事にはなりにくく、信頼を積み重ねた職人や施工会社に安定して仕事が回る傾向があります。「足場屋は見えないところで現場の空気を整える存在だ」と言われることもあるほど、影ながらも重要な役割を担っているのです。
このように、建設業の動向・社会構造・安全意識といった複数の側面から見ても、足場工事は今後も確実に“求められ続ける仕事”であり続けるといえます。
将来を見据えた「新しい働き方」とは?
足場工事というと、「きつい・危ない・長く続けられない」といった従来のイメージが根強く残っています。たしかに昔は、体力頼みの職人気質な現場も多く、若いうちに稼いで辞めるという選択をする人も少なくありませんでした。しかし今は、その在り方自体が少しずつ変わってきています。
たとえば、最近では足場資材の軽量化や運搬機器の導入が進み、体への負担を減らす取り組みが広がっています。また、施工図をデジタル化する現場も増えており、作業の事前準備や全体把握がしやすくなりました。これは経験の浅い人にとっても働きやすさにつながり、事故リスクの低減にも貢献しています。
働き方の選択肢も広がっています。現場一筋で腕を磨いていくのも一つの道ですが、一定の経験を積んだ後に施工管理や安全管理の職へステップアップする人もいます。さらに、育成担当として若手指導に回るポジションや、元請との調整役に進むルートも現実的です。以前より「長く続ける道筋」が具体的に描けるようになったのです。
企業側も「職人の定着」に本腰を入れはじめています。たとえば育成制度の整備や、資格取得の支援制度、チームでの業務分担など、若手が成長しやすく、中堅以降も負担を抑えて働ける環境づくりが少しずつ広がっています。
このように、足場の仕事も“昔ながらの重労働”から、“技術と連携を活かす専門職”へと変わりつつあるのです。
5年後・10年後を見据えた、リアルな声
将来を考えるうえで、今実際に現場で働いている人たちの声は非常に参考になります。たとえば、20代で入職した人が30代に入り、リーダー的な立場で若手の育成を任されるケースも珍しくありません。現場で「任される側」から「任せる側」に変わることで、仕事への向き合い方も大きく変わっていきます。
また、40代・50代になっても現役として現場に立つ人は多く、その理由として「現場の判断力や経験が重宝される」「自分の段取りが全体の安全につながる」という誇りを持っていることが挙げられます。若い頃のようなスピードは出なくとも、安定感や全体を見る目で頼られるポジションに移っていくイメージです。
一方で、現場を離れて新たなキャリアに進んだ人の中には、施工管理や営業、資材会社への転職など、「足場の知識をベースにしたキャリア設計」を実現している例もあります。こうした道を歩むには、現場での経験だけでなく、早い段階で資格取得やコミュニケーション力の習得など、将来を見越した意識がカギになります。
結局のところ、「ずっと現場にいたい人」も「別の道に進みたい人」も、それぞれに合った形で未来を描けるのが、足場という仕事の特長なのかもしれません。柔軟に選択肢を持てるからこそ、長く働くことを前提にしやすい業種でもあります。
将来を見据えた一歩を踏み出したい方へ、情報はこちらからご覧いただけます。
▶ https://www.ukyogumi.jp/infomation
将来性を「つかむ」には、今なにを意識するべきか
足場工事という仕事に、確かな将来性があるのは事実です。ただし、それは「何もしなくても保証される安定」ではありません。変化する現場に対応する力、学び続ける姿勢、自分の強みを広げていく意識が、将来を切りひらくカギになります。
現場の経験は、ただの労働で終わらせるにはもったいない財産です。若いうちは体で覚え、中堅期には周囲をまとめる立場になり、将来的には育成や管理の側へ──そんな流れの中で、自分なりのキャリアを築いていくことができます。
「続ける」「変わる」その選択は、人それぞれ。大事なのは、自分の力で選べるように、早いうちから考え、準備しておくことです。足場の現場には、まだまだ“人にしかできない役割”が残っています。
自分のこれからを見つめ直したい方は、こちらからお気軽にご相談ください。

